アーユルヴェーダでは、1日の中にもドーシャのリズムが存在します。
そのドーシャに合わせた生活を行うことで、健康増進につながるのです。
Lesson3-6でも少し述べましたが、ここでは朝昼夜に分けて過ごし方のポイントをさらに詳しく解説します。
【朝の過ごし方】

起床
アーユルヴェーダでは、冬は6時前後、夏は5時半前後に起床することが勧められています。
起床したらまず、自分自身の状態をしっかりと観察しましょう。
どこか痛むところはないか、体の重さはどうか、自分自身の体調を知ることは健康増進において非常に重要なポイントです。
脈診
次に、脈診することでさらに自分自身と向き合います。
Lesson5-1で紹介した方法で行いましょう。
はじめは慣れないかもしれませんが、自分自身を見つめることが重要です。
毎日続けるようにしましょう。
舌苔の掃除
睡眠中に舌に出現したアーマを掃除しましょう。
専用の器具があったり、スプーンで代用もできますので、コラム①を参照して行いましょう。
ごま油うがい
アーユルヴェーダでは、一度加熱したごま油やゴマサラダ油でのうがいが勧められています。
ごま油には、抗酸化作用があり、うがいや歯茎のマッサージを行うことで口内環境を良くすることができます。
白湯を飲む
口内がきれいになったところで白湯を飲みます。
朝に飲む白湯は、消化機能を高め、排せつ効果を促してくれます。
白湯の温度は体調に合わせて調整しましょう。
鼻洗浄・点鼻
アーユルヴェーダでは、鼻は脳の出入り口であると考えられています。
鼻が詰まると思考が鈍くなる経験ってありますよね。それもこのためでしょう。
鼻水や鼻詰まりがあるときにも効果的ですので、ぜひ試してみましょう。
- 急須にお湯を入れて塩を小さじ1ほど溶かす。
- そこへターメリックを少々入れる。(ひとつまみ)
- 顔を横にして、急須のお湯を片方の鼻に入れ、反対側の鼻から出す。
セルフマッサージ
ごま油を全身に塗り、全身マッサージを行いましょう。(アビヤンガ)
適温に保たれた室内で行うことがオススメです。
自宅においては、お風呂場にバスタオルを敷いて行うとオイルのベタつきも気にせずできるのでよいでしょう。
ヴァータ・ピッタを鎮めたいときには、体毛の方向にマッサージ。
カパを鎮めたいときには、むくみを改善するために、リンパに沿って心臓へ向かってマッサージしましょう。
また、カパが増大しやすい季節やカパ体質の方へはガルシャナ(ドライマッサージ)もオススメです。
ガルシャナを行う場合には、アビヤンガの前にするのが効果的です。
ガルシャナの方法についてはLesson11を参照してください。
入浴・シャワー
ガルシャナやマッサージの後は、入浴やシャワーで全身のオイルを洗い流しましょう。
軽い散歩
朝食前は適度な運動にもってこいの時間帯です。
アーユルヴェーダにおいて、適度な運動は、健康促進に不可欠なものです。
適度な運動をすることにより、体の免疫機能が高まり、心身ともに健康になることができます。
また、老化のスピードを遅らせることもできます。
朝食前には手を大きく振って全身を動かしながら散歩しましょう。
早く歩いたり、少し遅くしたりとメリハリをつけて行うことも大切です。
朝のヨーガ
太陽礼拝を中心にポーズをとって体をリラックスさせましょう。
【昼の過ごし方】

昼食
昼は1日の中で一番アグニの力が強まる時間帯です。
消化力が上がっていますので、昼食は腹八分目までしっかり食べましょう。
しかし、あまり食べすぎると午後に眠くなってしまい、アーマが増大しますので注意が必要です。
昼寝・おやつ
15時頃になると、ヴァータが増大し、休みたくなります。
しかし、アーユルヴェーダでは、昼寝もおやつも推奨していません。
昼寝はカパを増大させてしまいます。
どうしてもつらくなった時には、椅子に座ったままで15分程度仮眠しましょう。
こうすることで集中力が高まるといわれています。
日中のおやつもできるだけ控えましょう。
どうしても甘いものが食べたくなった時には、まず自分自身の体に問いかけてみてください。
本当に食べたいかどうかじっくり自分自身と向き合うことで我慢できることもあります。
どうしても我慢できない場合には、イモなどの自然食から甘みをとるようにしましょう。
【夜の過ごし方】

入浴・ヨーガ
帰宅後は入浴で、1日の汚れを流しましょう。
アーユルヴェーダでは、夕食前に入ることを推奨しています。
入浴後はヨーガでリラックスしましょう。
激しい動きは避けます。また、瞑想は朝よりも長く行うとよいでしょう。
家族やパートナーと一緒に行うのもオススメです。
夕食
夕食は、できるだけ早い時間に少量食べることが推奨されています。
アグニの力が弱まっていると感じる際には、食前にショウガを摂取するようにしましょう。
ヴァータとカパの乱れを感じる人は、梅酒や赤ワインを食前酒に飲むこともオススメです。
散歩
食後1時間ほどしたら、15分ほどの散歩に出かけましょう。
この運動により、アグニの力を高め、就寝までに夕食を消化させることが目的です。
原則就寝の2時間前からは、水や白湯などの水分以外に何も摂取しないようにしましょう。
就寝
就寝前に1日を振り返りましょう。
正座やあぐら、楽な姿勢で行います。
深く呼吸をし、今日あった否定的な感情を捨て去ります。
いろいろ考えを巡らせると、かえって眠れなくなりますので、あくまでも客観的に無判断で振り返りをします。
眠りがスムーズに進まないときには、アロマの香り・マッサージ・音楽を取り入れるようにしましょう。