【発酵食品の善し悪し】

アーユルヴェーダでは、時間の経った食べ物を食すことはよくないことだとされています。(Lesson6-3-②参照)
「納豆を食べるのはよくない」と話す専門家もいます。
しかし、インドの食卓では、ヨーグルトがよく使われますし、発酵酒などが治療に用いられることもしばしばです。
そもそも、なぜ時間の経った食べ物を食すのがいけないのかというと、昔のインドでは冷蔵庫がなく、時間がたつと食べ物が腐敗して食中毒を起こしていたからだと考えられます。
食中毒により、アグニの力が弱まってしまうのは良くないので、時間の経った食べ物を避けるように教えるようになったのでしょう。
発酵というのは少し難しい概念で、生物学的に腐敗と違いはありません。
しかし、私たち日本人にとって納豆は腐敗しているとは思わないですよね。
これは、発生する菌やその地域の住民の腸内環境によって発酵なのか腐敗なのかが決められているとも言えます。
反対に考えると、腐敗(発酵)している食物というのは、酵母や菌の影響により、アグニの力を高める作用があるというようにも捉えられます。発酵食品は、消化がスムースに行われるため、健康食品として人々に愛用されているのです。
以上を考えると、日本においては、納豆やその他の発酵食品を取り入れることは健康増進につながるので良いと考えて問題ないと思われます。
【舌の状態でわかる体の健康状態】

リフレクソロジーなどもそうですが、伝統医学においては体全体の状態が一部に現れるということがあります。
舌に関しても同じで、アーユルヴェーダでは舌に体全体の健康状態が映し出されるといわれています。
あなたは自分の舌を鏡でじっくりと見たことがありますか?
舌は口の中に隠れていることもあってか、なかなかチェックする人は多くありません。
日常的に自分自身の体を見つめることは、健康増進の一歩にもつながります。
ぜひ毎朝鏡で舌をチェックしてみることをオススメします。
舌苔の状態で、健康状態がわかるといわれています。
アーユルヴェーダでは、アーマ(未消化物)は就寝時に血液の中を通って舌の上に表面化します。
以下のポイントに沿って舌をチェックしましょう。
- 舌苔の量
- 舌の色
舌苔の量は、多ければ多いほど、アーマの量が多いと考えられています。
食事のバランスや生活を整えて、アーマを減らす試みをしてみましょう。
舌の色は、黒かったり、黄みがかっていたり、白っぽくなっていると正常ではありません。
ぬるぬるした舌も要注意です。
これらの舌の不調は、以下のような簡単なお手入れで改善することができます。
舌苔のホームケア
まず、スプーンを用意します。
スプーンで掻き出すように、舌の奥から手前へと舌苔を取り除きます。
根本的な改善には、アーマを増やさない生活や食事の改善が必須です。
舌苔のお掃除も取り入れつつ、チェックを欠かさないようにしましょう。