Lesson11 アーユルヴェーダのマッサージ方法

アーユルヴェーダにおいて、マッサージは慣習的に行うのが良いとされており、そうすると以下のような様々な効能が現れます。

  • 血行が良くなる
  • 老化を遅くさせる
  • 疲労が取れる
  • 顔色が良くなる
  • 心地よい眠りができる
  • 視力が上がる

マッサージの基本の動きは

さする・たたく・押す・揉む

です。これらの動きを組み合わせて身体をリラックスさせましょう。

また、ドーシャタイプによって適するマッサージ方法が異なります。
体質・過剰になっているドーシャに合わせて行うことが大切です。

  • ヴァータタイプ・・・温めたオイルでゆっくりゆったりとマッサージしましょう。長いストロークで手を動かすとよいでしょう。
  • ピッタタイプ・・・オイルは常温で大丈夫です。手をくるくるさせることで、緊張をほどくとよいでしょう。
  • カパタイプ・・・ドライマッサージもよいでしょう。体をこすって摩擦を起こすようにマッサージします。

オイルマッサージ

人の体には、マルマと呼ばれるポイントが100以上もあります。(Lesson 参照)
これらのポイントは強い刺激を与えると重大なダメージを与えてしまうこともあるほど、重要なポイントですので、オイルを使って滑らかにマッサージするのが基本です。

アビヤンガ

全身マッサージのことで、様々なオイルを使用します。
精神的・肉体的にリラックスでき、若返ります。疲労や痛みにも効果的です。

ピッツィチリ

4人のマッサージ師で行う手法です。
オイルに浸した布から、絶え間なく体にオイルを流します。運動神経障害やリウマチなどに効果があります。

足圧マッサージ

マッサージ師が天井につけたフックにぶら下がって、足でマッサージをします。
他のマッサージ師は、オイルを垂らします。
慢性疲労にも効くマッサージ法です。

ダーラー

Lesson5-4でも紹介しましたが、オイルやバターミルクなどを額や体にそそぐ方法です。
心身ともに落ち着きを取り戻すことができるマッサージ法です。

オイルの使用方法

マッサージでは、体質に応じて様々なオイルを使用します。
例えば、ごま油・ひまわり油・オリーブ油などを使用します。
その中でも、ごま油は手に入りやすい割には成分も作用するものが多く、酸化もしづらい為、多用されています。
ただし、ピッタを増やす力がありますので、ピッタタイプの方やピッタの増大が気になる方は避けましょう。

マッサージに使用するためには、オイルにも下準備が必要です。
ここでは、ごま油のキュアリング方法について説明します。

  1. まず、マッサージのためのごま油は、透明のタイプを使用します。
  2. そのごま油を1瓶鍋に入れて100度まで加熱します。
  3. 鍋の中を混ぜて均等な温度にしたら、火を止めます。
  4. 鍋に入れたまま冷ませます。
  5. 遮光瓶などに保管して、使用する。

このようにして出来上がったごま油にハーブを混ぜることで、薬用のマッサージオイルとして使用することもできます。

ドライマッサージ

アーユルヴェーダにおけるドライマッサージでは、布を使用します。

代謝アップが期待でき、直接関節などに働きかけるため、太っている人にもオススメのマッサージ法です。
特にカパタイプの方は、オイルを使用すると水の性質が強まってしまうので、ドライマッサージを取り入れてみて下さい。

絹の手袋を使用するマッサージ法を「ガルシャナ」といいます。
絹の手袋がなくても、綿や麻などの素材でも代用が可能です。

マルマポイントを布で強く摩擦して温めます。
こうすることで、カパの水のエネルギーを減らすことができるのです。

効果的なのは、朝のマッサージです。
5分ほど行ったら、入浴して毒素が体内から出ていくのを感じましょう。

ガルシャナで十分に水の成分を減らすことができたら、最後に軽くオイルを塗るとすっきりしますよ。