【老いについての考え方】

人はいずれ年を取って老いていきます。
高齢になると、ヴァータが増悪しやすくなり、乾燥や冷たさが増すようになります。
その結果、便秘になったり、白髪になったり、肌にしわが増えたりするのです。
こう聞くと、老いていくことに嫌気がさす人も多いかと思いますが、老いはマイナス面ばかりではありません。
アーユルヴェーダでは、老いと上手に付き合う方法がありますので、ご紹介します。
ヴァータのバランスを保つ
生活習慣の乱れはヴァータを増大させます。
ヴァータが乱れないように、規則正しい生活を心がけましょう。
また、ごま油によるヘッドマッサージや全身マッサージもヴァーダの鎮静化にオススメです。
考え方の転換
老いて年を取ることを嫌だと思わないことが大切です。
もう年だから無理だと諦めることもよくありません。
アーユルヴェーダにおいて高齢者は、経験や知識を豊富に持ち、伝統を大切にするため、尊敬し敬うべき存在だとされています。
身体的には衰えていても、これまで経た様々な経験は多くの人のためになるのです。
死ぬまで人の役に立つように心がけると、毎日の質が格段に上がるでしょう。
ラサーヤナを取り入れる
ラサーヤナとは、強壮長寿法という意味です。
滋養強壮薬を飲むことと、倫理的な生活を送ることが、ラサーヤナの具体的な方法です。
倫理的な生活を送ることは、「アーチャーラ・ラサーヤナ」と呼ばれ、10の実践項目が存在します。
- 真実を語る
- 休息と活動のバランスが取れた生活を送る
- 健全な食事法を取り入れる
- 人に与える(金銭・食物・知識など)
- 気候や季節に沿った生活をする
- 魂で物事を考える
- 暴力を振るわない
- 酒・性行為に溺れない
- 他人を傷つけない
- 怒りや攻撃を避ける
これらをすべて実践している人には、滋養強壮剤が必要ないとも言われています。
それくらい、薬よりも行動が自分自身を左右するということですね。
【女性の健康についての考え方】
アーユルヴェーダでは、女性の健康管理に関する理論があります。
その内容は妊娠中や出産時、生理中のケアや性行為の注意についてです。
これらの考えは、女性軽視だといわれることもありますが、一方で「インドの伝統的な女性を守る考え方だ」とも言われています。
そんな女性の健康管理の考え方を一部をご紹介します。
子供の体質
アーユルヴェーダでは、授精時の両親の状態が子供の体質に関係すると考えられています。
例えば、喫煙している親から生まれた子はヴァータタイプのソワソワした子が生まれやすい、酒を飲んでいる親から生まれた子はピッタタイプの怒りっぽい子が生まれやすいなどと言われています。
両親のドーシャのバランスがうまく保てているときに授精することが、健康な子供を産むのに大切だとされています。
そのために、妊娠前にはパンチャカルマ(浄化療法)を両親ともに受け、なおかつ2人のドーシャのバランスの良い時期に妊娠するよう勧められます。
例えば、ヴァータタイプ・カパタイプの両親ならば、ピッタの時期(夏)に妊娠すると3つのドーシャのバランスが良い子供が授かれるとされています。
生理中の注意

インドでは、生理中の女性は不浄とされており、仕事などの社会活動が制限されています。
また、生理中はストレスや性的刺激を避けることが重要だとされています。
生理は浄化するための自然現象だととらえられていますが、ヴァータが増大しやすい時期でもあります。
以下の点に注意して過ごすことで浄化がしっかり完了できますので参考にしましょう。
- 休息をしっかりとる(性行為も控える)
- 昼寝は少なくする
- 髪を洗うのを避ける
- ヴァータを鎮める食事を心がける(軽くて温かいもの)
- 運動は控える
- 刺激の強いものは避ける(臭い・音などの五感)