Lesson3-6 季節・時間・年齢によるドーシャの変化

前述した3タイプの中であなたが当てはまるドーシャタイプ、それは最もあなたがバランスを崩しやすいドーシャです。

アーユルヴェーダでは、季節や時間、年齢の流れにも各ドーシャが優性になるサイクルがあると考えられ、どの本質を持つタイプの人でもその影響を受けると考えられています。

季節による心身の変化

この世界を構成するとされる5元素(地・水・火・風・空)は、季節の変化にも左右すると考えられています。それらの季節の変化の仕組みと特徴を理解することで、心身の不調に対応することができます。

春はカパの季節といわれています。それまで降り積もっていた雪が解け始め、大地が潤い、草木が目を出す。春は水と地のエネルギー(カパ)が増大する季節なのです。
冬の間に蓄積した油分や水分が原因で、体がだるく感じられることが多いでしょう。
また、カパ(水分)の過剰分泌は花粉症の原因であるとも考えられています。

夏~初秋

夏~初秋は暑い季節ですので、火のエネルギーが高まるピッタの季節といわれています。
エネルギーに溢れ、代謝の上がった体は疲れやすくなるでしょう。体を冷やすことは大切ですが、冷やしすぎには注意。体内の水分が増えすぎてしまうと、水と火のエネルギーがぶつかり、下痢や食欲不振を引き起こすこともあります。

秋~冬

風のエネルギーが高まり、冷え込む秋~冬にかけては、ヴァータの季節だといわれています。
空気は乾燥し、大地も冷え込みます。
冬は冷たい風邪との接触で消化の火(アグニ)が強くなる季節で、消化力が高まるため、食欲旺盛になりますが、水分や油分の多い食事には注意しましょう。

保湿・保温も大切。乾燥性皮膚炎や便秘に気を付けましょう。

時間別ドーシャの変化

1日の中でも、早朝から夜中にかけて、それぞれのドーシャが高まる時間帯は異なります。
時間別に受けるドーシャからの影響を把握することで、快適な1日の過ごし方が見えてきます。

6:00~10:00 朝のカパの時間帯

地と水のエネルギーが高まる時間。みずみずしく潤った時間は1日の始まりを感じさせます。しかし、カパが増大すると、体がだるくて重く、強い眠気が出てしまいます。

10:00~14:00 昼のピッタの時間帯

火のエネルギーが増す時間。集中力が高まり、行動も積極的になります。代謝が高まり、食欲も増幅。しかし、ピッタが増えすぎるとイライラしたり怒りがちになってしまうので注意。

14:00~18:00 昼のヴァータの時間帯

風のエネルギーが増す時間。行動力が高まります。しかしヴァータの影響を受けすぎると、衝動的な行動をとってしまったり、根拠のない言動をしてしまいがち。

18:00~22:00 夜のカパの時間帯

夜になり、また地と水のエネルギーが高まるカパの時間。この時間は静かに過ぎていきます。眠りへの準備に取り掛かりましょう。

22:00~2:00 夜のピッタの時間帯

夜に火のエネルギーが高まるこの時間帯は、成長ホルモンの分泌が高まります。代謝も高まりますので、しっかりと睡眠をとりましょう。成長や美肌を促す時間帯。

2:00~6:00 早朝のヴァータの時間帯

風のエネルギーが再び高まるこの時間は、気持ちも翻弄されて目が覚めやすい時間帯。瞑想やヨガを行うとよいでしょう。

年齢別ドーシャの変化

季節や時間には、それぞれドーシャの高まりのサイクルがあることを前述しましたが、これは人の一生にも当てはまります。

若年期(0歳~30歳)カパの増えやすい時期

壮年期(30歳~60歳)ピッタの増えやすい時期

高齢期(60歳以上)ヴァータの増えやすい時期

若年期では、地と水のエネルギーにより、体の基礎部分が成長します。これらのカパが過剰すぎると、小児喘息になりやすいといわれています。

壮年期は、火のエネルギーが高まり、メラメラと活動的な時期です。働き盛りでもありますが、ピッタが増大すると闘争心が激しくなりすぎるため注意しましょう。

高齢期では、風のエネルギーにより、髪や肌などが乾燥しやすくなります。それを補うように、この時期には水分補給をしっかりとるのが良いでしょう。