Lesson9-1-② アーユルヴェーダにおけるセルフケア

不眠

眠れない状態が続くと、体に疲れがたまり、悪循環を引き起こします。
精神的にも辛くなってしまうことが多いので、ひどくなる前にセルフケアを行いましょう。

不眠の状態というのは、ヴァータとピッタのバランスが乱れている状態です。

セルフケアとして、以下のことを行いましょう。

入浴

心身ともにリラックスするためには、入浴がとても大切です。
可能であれば40度前後のお湯で半身浴をしましょう。
身体の中から温まり、血流が良くなって、自然と眠りが深くなります。
また、入浴はヴァータを鎮める効果があります。
ラベンダーなどのリラックス効果が高いアロマを浴槽に入れるのもオススメです。

ヘッドマッサージ

ヴァータを鎮め、リラックスするためのヘッドマッサージを就寝前に行うと効果的です。

ポイント

  • 首の付け根(頭蓋骨側)を指でほぐして、緊張やコリをとる。
  • 指で頭皮全体を圧迫してほぐす。
  • 指の腹や手のひらを使って頭全体を包んだりなでたりする。
  • 最後はしっかりと深い深呼吸をする。

朝起きたら太陽を浴びる

朝、太陽の光を浴びると、1日の始まりを体で感じることが出来、体内のリズムが整います。
遮光カーテンを使っている方は、しっかりとカーテンを開けないとお部屋が暗く、体のサイクルが乱れてしまいますので、特に注意しましょう。

香水や音楽を楽しむ

ヴァータとピッタのバランスを保つためには、心身の緊張をときほぐし、リラックスすることが重要です。
お気に入りの香水や音楽を優しい間接照明の空間で楽しんでみましょう。

寝る前の電子機器の使用をやめる

パソコンや携帯電話のブルーライトは、不眠の原因になります。
寝る前には使用を控え、出来るだけゆったりとした時間を過ごすようにしましょう。

眼精疲労

長く目を使いすぎたり、乾燥すると、眼精疲労による症状が出てきます。
アーユルヴェーダでは目はピッタが関係する場所です。

伝統的なケア方法として、「ネートラ・タルパナ」という方法があります。

  1. 小麦粉を水で練ったもので目の周りに堤防を作る。
  2. 目を閉じてギーLesson6-5参照)を堤防の中に流し込む。
  3. ゆっくり目を開けて、眼球を左右に動かす。

この方法は、インドで行われている伝統的な方法ですが、ご自宅でのケアにおいては、洗眼液の容器にギーをいれて、同じ手順でケアをしても良いでしょう。

目を開けた後しばらくは太陽の光を見ないようにします。
少し涙が出ますが、目がスッキリして視界も良好になります。

肩こり

アーユルヴェーダにおいて、肩こりや腰痛、痛みの原因はヴァータの乱れにあるとされています。
しかしヴァータが乱れる原因を考えると、ピッタやカパの乱れから生じているケースが多くあります。

ピッタが乱れて消化力が衰えたとき、カパが乱れて運動不足になっているときにも肩こりは生じます。
ですので、一概にヴァータだけが原因であるとは考えられないのです。

肩こりには、緊張をほぐすマッサージが効果的ですが、ヴァータ性・ピッタ性・カパ性のうち、どれが原因の肩こりなのかを判断できないと、反対に身体を痛めてしまう可能性もあります。

そこで、ご自宅のケアとしてオススメなのは

  • 入浴
  • ヨーガ(適度な運動)

です。

特にヨーガは身体をリラックスさせ、緊張をほぐしてくれるのでオススメです。
適度な運動を行うことで、カパの乱れも鎮めてくれます。

肩こりに効果的なポーズに「鋤のポーズ」があります。(Lesson5-2参照)
また、両手を肩において肩を回す、「肩回しのポーズ」も緊張を解くのにオススメです。
1日の中に、ヨーガで身体をリラックスさせる時間を取り入れてみましょう。