④温かいものを食べる
西洋医学においても、消化酵素は体温に近い温度で一番効力を発揮するとされています。
アーユルヴェーダにおいてもその考えは共通しており、冷たい飲食物はアグニの火を弱めてしまい、消化力を落としてしまします。
ですので、冷たい飲み物や、冷えた食べ物を食べるのは控えましょう。
温かい食べ物は、カパの増大を抑制し、便秘やお腹の張りを防いでくれます。
また、「おいしい」と感じて食べることは、消化にも良く、心にも良いとされています。
作り立ての温かい食事は、消化力が高まり、心も満たしてくれるのです。
ヨーガの教えにも、「精神の純粋性を守りたい人は、作ってから3時間以内の食事を食べるように」というものがあります。
これは、3時間を超えると食べ物は腐る方向へ向かい、悪いエネルギーが食事の中に蓄積されていくと考えられているからです。
実際に体調が悪く、気持ちがどんよりしている・元気が出ないといった不調を訴えるような人は、レトルト食品や冷凍食品・冷えた食事ばかりを口にしているというケースが多いでしょう。
⑤イライラした気持ちで食事しない

これは、1800年代にアメリカで発表された論文による結果なのですが、怒ったりイライラしながら食事をすると、胃の消化力が落ちるといわれています。
人の胃はピンク色の状態をしているのが良い状態なのですが、研究結果によると、怒ったりイライラすると、胃の中は青く悪い色になってしまうのです。青い色の胃は消化力が落ち、良くない状態です。この状態で食事をとっても、消化不良を起こしてしまいます。
また、ストレスや睡眠不足もアグニの力を不規則にしてしまい、食欲が湧かなかったり、食欲が自分でもわからなくなったりしてしまいます。
そんな時には、温かい飲み物やスープなどを飲んで胃を落ち着かせるのが良いでしょう。
⑥好きなものを食べるようにする
食事は単に空腹を満たすだけのものではありません。食事をとることで「おいしい」と心にも満足感を与えられることが大切です。
嫌いなものを無理にたべなさいという教えはアーユルヴェーダにはありません。
嫌いなものを無理して食べると消化力が落ちてしまうからです。
好きなものを規則正しく食べていると、消化のリズムが整い、自然と空腹がやってきて好き嫌いはなくなっていくはずです。
また、嫌いな人と食べる食事も良くありません。
アーユルヴェーダでは、食事をするときは五感を使って楽しめることが大切であるとされています。
おいしそうな見た目や匂い、それらがあってこそ心も満たされ、消化も活性出来る食事であるといえます。
⑦食事は瞑想である

アーユルヴェーダでは、食事は瞑想の時間であると考えられています。
食べることにしっかりと神経を集中させ、食べているこの時間を楽しみましょう。
また、食事を作ってくれた人の気持ちに思いを馳せながら食べるのも良いでしょう。
調理する人の気持ちによって、食事の味は変わるという考え方もあります。
食事を通して、作ってくれた人の気持ちが伝わってくるのです。お母さんの手料理は安心感があり、おいしいですよね。
気持ちのこもった家庭料理が体に一番だとされるように、思いのこもった料理は食べる人の心と体を幸せに健康に導いてくれます。
瞑想の様に、神経を集中させることで、それまで感じられなかった繊細な味の違いやうまみにも気づくことが出来ます。
食事中の会話はほどほどに、食べることを存分に楽しんで食事をするようにしましょう。