パンチャカルマとは
パンチャカルマとは、体内にたまった毒素を浄化(デトックス)する浄化療法のひとつです。
アーユルヴェーダでは、健康的な体作りには、まずは体内を浄化することが大切であるとされています。
体内を浄化することで、人間が本来持っている自然治癒力を高めることができるという考えから行われています。
パンチャは「5」、カルマは「行為」という意味の言葉で、パンチャカルマの行為には大きく分けて5つのパートがあります。
この5つの順序を経て、体内にたまったアーマ(毒素)やマラ(生理的老廃物)を排出していくのです。
パンチャカルマの5つの行為(中心処置)
- 経鼻法[ナスヤ]:鼻にオイルなどを点鼻する
- 催吐法[ヴァマナ]:胃の中の毒素を排出する
- 寫下法(しゃげほう)[ヴィレーチャナ]:下剤の効果により、小腸から毒素を排出する
- 浣腸法[バスティ]:大腸から毒素を排出する
- 瀉血法(しゃけつほう)[ラクタモクシャナ]:皮膚を介して血液から毒素を排出する
アーマ・パーチャナ
パンチャカルマを行う前には、3~7日間かけて前処置を受ける必要があります。その前処置の前に行うのがアーマ・パーチャナです。
その目的は、体内のアーマをしっかりと消化させることにあります。
アーマはしっかりと成熟(パーチャナ)させてからでないと排出ができませんので、蓄積段階でパンチャカルマを行うのは禁忌とされています。
朝起きて、体がだるかったり、体の一部に痛みがあるような人は、アーマが蓄積している恐れがあります。
そのような方には、以下のようなアーマ・パーチャナを2,3日行うことがオススメです。
- 白湯を飲む
- 食事量を腹半分から八分目くらいに抑える
- アグニの力を高めるハーブを摂取する
アーマの蓄積程度ですと、これらの行為により体調が改善されることも多くあります。
ご自宅で簡単に取り組める内容ばかりですので、気になる際には取り入れてみましょう。
プールヴァカルマ
アーマ・パーチャナが終わったら、次の前処置としてプールヴァカルマを受けます。
プールヴァカルマで行う処置は、オイルで行う油剤法(スネーハナ)と発汗法(スウェーダナ)の2つがあります。
スネーハナ
この処置では、体内に油をしみこませて、アーマやドーシャの動きを滑らかにすることを狙います。
最も有名な方法としては、皮膚からオイルを浸み込ませようとするオイルマッサージのアビヤンガです。
アビヤンガでは、2人の施術師が温かい油で30~40分ほどマッサージを行います。
この方法は、ヴァータを鎮静化させるのに最も有効で、全身くまなくケアを行います。
患者は心地よい時間を送ることができるようになっています。
次に行うのは、シローダーラーです。
Lesson5-4でも説明しましたが、シローダーラーでは、額に40度前後のオイルを垂らし続けます。
この施術では、心を浄化することができ、心地の良い時間を過ごすことができます。
これは、この後に続く過酷なパンチャカルマの施術に耐えるためにも必要な行為だと考えられています。
スウェーダナ
これらのスネーハナの後に続く施術がスウェーダナと呼ばれる発汗法です。
20分程度、薬草を用いた蒸気サウナを浴びます。このとき、頭だけは温めないように注意します。
このようにサウナに入ることで、体内の循環経路がスムーズに機能し、オイルに溶けたアーマやドーシャを流れやすくしてくれるのです。
パンチャカルマの後処置

解毒作用の高い中心処置は、心身ともに大きな負担がかかります。
もし、前処置と中心処置を同じ日に受けるようなことがあれば、その後数日間は安静を保ち、食事も軽めに済ませましょう。
また、最終処置が終了した後も、数日間は安静にし、処置にかかった日数の倍をかけて通常の生活に戻していきましょう。
食事の量はもちろん、運動や仕事もこの通りにしてください。
