Lesson9-1-④ アーユルヴェーダにおけるセルフケア

風邪

寒い冬の季節になると、寒さと乾燥が強まり、ヴァータが増大します。
また、寒いからといって動かずに部屋の中にずっといたりすると、運動不足になり、カパが増大します。

このように、ドーシャの乱れが原因で風邪の症状が発症します。

アーユルヴェーダでは、風邪のタイプを4種類に分けて考えます。

  1. ヴァータタイプ
  2. カパタイプ
  3. ピッタタイプ
  4. すべてのドーシャの乱れ

ヴァータタイプ

ヴァータの乱れが原因の風邪は痛みが生じます。
特にひどい頭痛がある場合、ヴァータの乱れを改善する必要があるでしょう。

カパタイプ

カパが乱れて風邪をひくと、くしゃみが頻回で起こり、頭がずっしりと重く感じることが多くなります。

ピッタタイプ

ピッタが乱れて風邪をひくと、胃腸の調子が悪くなります。
また、鼻詰まりや、鼻の中の熱い感覚が感じられます。乾いたくしゃみもよく出るでしょう。


これらの風邪の諸症状を軽減するには、セルフケアがとても重要です。

風邪の引きはじめであれば、まずはヴァータの乱れを整えればよいのですが、ヴァータの乱れによって他のドーシャの乱れが生じていると症状も複雑化していきます。

また人体は、くしゃみや発熱により、体内の菌や不要物を体外に出そうとしますので、すぐに薬を飲んで症状を抑えないほうがかえって良いときもあります。

ヴァータの増大を抑えることが風邪をひかないためのポイントですが、そのためにはヴァータの性質と反対の行動をとる必要があります。

ヴァータの持つ性質は、「動性・軽性・冷性・乾燥性」などです。
これらと反対の以下のような行動をとるように心がけましょう。

  1. ゆっくりと休む
  2. 体を温める(入浴など)
  3. 食事の量を減らす(消化力が落ちているため)
  4. アグニの火を燃やすような食物をとる
  5. ビタミンCをとる

ショウガはちみつドリンク

すりおろしたショウガとはちみつ・レモンを同じ量コップに入れ、お湯で割って飲みます。

このドリンクは、体内のアーマを消化してくれ、ビタミンCも摂取できるのでオススメです。

ターメリックの足湯

ターメリックを適量入れたお湯で足湯をしましょう。

ターメリックの成分は血管を広げて循環を良くし、体を温めてくれる作用があります。

 

便秘・下痢

便秘

便秘の原因はさまざまですが、癌のような大きな病気が潜んでいることもあり得ますので、必ず病院で診察を受け、生活習慣からくる便秘だと判断されてから、アーユルヴェーダのセルフケア行ってください。

便秘は基本的にヴァータの乱れで生じると考えます。
乾燥や冷え、ストレスが原因の方が多いでしょう。

食物にも気を付けるようにしましょう。
食物繊維は便秘に効果的ですが、不溶性食物繊維は逆効果です。
不溶性食物繊維とは、水に溶けない食物繊維のことで、セルロースなどが該当します。

果物や野菜などに含まれる水溶性食物繊維を意識して摂取しましょう。
特にりんごがオススメです。

下痢

下痢になるときは、ピッタが乱れているときです。
精神的なストレスによっても下痢になります。

ピッタが過剰な状態を浄化しようと下痢になっている場合もありますので、むやみに薬を飲んで止めないほうが良い場合もあります。
しかし、深刻な病気が潜んでいる可能性もありますので、下痢が続くようであれば必ず病院へ行くようにしましょう。

軽い下痢の時のセルフケアとしては、青いバナナを煮て、ショウガ粉とギー(Lesson6-5参照)をかけて食べる方法がオススメです。