Lesson1-3 アーユルヴェーダの歴史

時代遅れといわれたアーユルヴェーダ

インドでは主流とされてきた医学体系、アーユルヴェーダ。

20世紀に入ったころ、東洋一帯では西洋諸国からの植民地支配がひろがり、西洋医学が主流に変わりつつありました。そんな中で、アーユルヴェーダのやり方は「時代遅れ」だと消滅の一途をたどっていました。

しかし、1980年、インドの国会にてアーユルヴェーダにも西洋医学と同じ地位を与えるという法令が採決されました。

ここからアーユルヴェーダは復活の道へ進むことになるのです。

現在のインドの病院では、西洋医学の医師とアーユルヴェーダの医師がともに働いている姿が一般的に見受けられます。

アーユルヴェーダが日本に伝わったのは7~8世紀ごろ、遣唐使によって伝来したと考えられています。

しかし、当時の日本では漢方医学が中心であり、なかなか人々には浸透しませんでした。
その後長い年月を経て、1970年ごろにようやくアーユルヴェーダは日本でも認識されるようになりました。

しかし、現在になっても日本では、西洋医学とは異なり、アーユルヴェーダの治療には保険がききません。
そんな状況でも、アーユルヴェーダの治療を受けられる医院の数は少しずつ増えてきています。

中には、保険適用の治療と保険外のアーユルヴェーダ治療の両方を受けられる医院もあるほどです。
このような医院は欧米諸国では多く見受けられ、今後は日本でも数を増やしていくと考えられています。

そうなるとこれまでとは異なり、より身近にアーユルヴェーダの治療を受けられる人が増えることでしょう。

西洋医学の限界

患ったというその点だけに注目して治療を進める西洋医学のやり方には限界があり、病気を未然に防ぐ予防医学の考えはますます重要視されてきています。

病院に行けばなんとかなるという考えの現代人は多く、医学の知識は医者任せになってしまっています。

しかし本来、医学とは生活の中にあるもので、誰でも活用できるものであり、自分の健康は自分で守るべきものなのです。

その点、アーユルヴェーダは生活の中で行う簡単で身近な医療によって、自分の身体と向き合い整理することが出来ます。近年アーユルヴェーダが注目されている理由には、この点の影響が大きいでしょう。

その効果に関しては、西洋医学では解決できないような現代病(慢性疲労症候群など)が実際にアーユルヴェーダの手法によって改善したという報告もされているほどです。

それでは、具体的に西洋医学とアーユルヴェーダの違いはどのような点にあるのでしょうか。

次のセクションでは、現代医療の中心核である西洋医学とアーユルヴェーダの違いについてしっかりと学びましょう。