Lesson6-2 アーユルヴェーダ食事法における「味」

6つの味と6つの性質

食物には、6つの味があるとされています。

  • 甘味・・・地、水
  • 酸味・・・地、火
  • 塩味・・・水、火
  • 辛味・・・火、風
  • 渋味・・・地、風
  • 苦味・・・風、空

アーユルヴェーダでは、世の中のすべてのものが5元素に分類されると考えますので、味も同様に5元素に分けられます。

また、食物には6つの性質があります。

  • 重性・・・チーズ、小麦など
  • 軽性・・・ほうれん草、りんごなど
  • 油性・・・油っぽいもの、乳製品など
  • 乾性・・・大麦、コーンなど
  • 冷性・・・冷たい飲み物、葉物野菜など
  • 熱性・・・温かい飲み物、スパイスなど

ドーシャと味の関係性

食物の味は「ラサ」と呼ばれ、ドーシャのバランスに影響をうけます。

ドーシャの考え方に「似たものが似たものを増やし、異なるものが異なるものを減らす」というものがあります。
ラサとドーシャの関係を考える際にも、この考え方が軸となります。

プラクリティと同じ元素を持つ味や性質の食べ物を食べると、そのドーシャは増大し、反対の性質を持つドーシャを減少させるのです。

例えば、熱性の食べ物はピッタを増やし、冷性の食べ物は、ヴァータとカパを増やします。
油性の食べ物は重いので、カパを増やします。

味についても同様で、甘味・酸味・塩味はヴァータを減らしてカパを増やし、甘味・苦味・渋味はピッタを減らします。

例外の性質を持つ食物

一般的に、火の性質を持つ食物は、体に熱を与えてピッタを増大させ、それ以外のドーシャを鎮めます。
しかし、中には例外の性質を持つ食物「プラーヴァ」というものが存在します。

プラーヴァの例として「アムラ(ユカン)」というインドの酸っぱい果実があります。
本来酸味は火の性質を持つのでピッタを増大させるのですが、この果実は反対に身体を冷やしてくれる効果があります。アムラほどの影響力はありませんが、レモンやライムにも同様の性質が少し見られます。
ピッタ体質の方で、ピッタが増大しているのを鎮めたいが、酸っぱいものが食べたいという時には活用できるでしょう。

また、はちみつもプラーヴァの一つです。
はちみつは甘味が強いので、本来ならば地と水の性質をもつカパを増大させますので、太りやすくなるはずです。
しかし、反対にカパを下げるという性質を持つため、ダイエットしたいけれど甘いものを食べたいという人には適した食物なのです。

次のセクションからは食事法を具体的に解説していきますが、プラーヴァの存在を頭に入れて考えるようにするとより理解が深まるでしょう。