Lesson5-3 ヨーガを取り入れた生活(呼吸法・瞑想)

呼吸法(プラーナーヤーマ)

ヨーガは呼吸を整えるために行うもので、正しい呼吸は心を落ち着かせてくれます。
呼吸法は「プラーナーヤーマ」と呼ばれており、「生命力の制御」という意味が語源です。

現代人は、正しい呼吸法を忘れてしまっている人が非常に多く、本来の呼吸法よりも呼吸が浅くなってしまっています。
浅い呼吸は脳内の酸素を不足させます。酸素不足は、頭痛や疲れの原因ともなりますので、しっかりと酸素を吸い込むことは非常に大切なのです。

片鼻呼吸(ナーディーショーダナー)

右の鼻孔は活動的・陽・理性に関係しており、左の鼻孔は消極的・陰・感情的という意味を持つとされています。

ヴァータタイプ・カパタイプの方は、右の鼻から息を吸い、左の鼻から息を吐くと、パワーがみなぎり、バランスを保つことが出来ます。

ピッタタイプの方は反対に、左の鼻から息を吸い、右の鼻から息を吐くことで、理性を保ち、落ち着くことが出来ます。

ヴァータを鎮静する呼吸法

ヴァータが過剰になり、気分が落ち着かず、そわそわしてしまうような時は、この呼吸法が効果的です。

楽な姿勢で座り、両掌を目の上に置きます。この時指先は眉間の当たりに来るようにしましょう。
鼻から息を吸ったら、鼻から息を吐きます。このときに「んー」という声を出しながら息を吐きましょう。
自分の声が眉間のあたりで響くのを感じます。
これを3回繰り返します。

カパを鎮静する呼吸法

カパが過剰になり、無気力で何もやる気が起きないときには、この呼吸法が効果的です。

楽な姿勢で座り、お腹に手を当てます。鼻から息を吸い、「フッ」という声を出しながら、勢いよく短い息を鼻から吐きます。この息を吐くタイミングに合わせて、お腹を手で押さえましょう。
これを30回程度行います。

ピッタを鎮静する呼吸法

ピッタが過剰になり、イライラしてしまったり、闘争心が過剰になってしまう時には、この呼吸法が効果的です。

楽な姿勢で座り、舌を丸めて口先から出します。まず肺にあるすべての息を吐きだしたら、口から5秒かけてしっかりと息を吸い込みます。吸った冷たい息で身体がクールダウンされることを感じながら、ゆっくりと体に呼吸を行きわたらせます。その後はゆっくりと息を吐きましょう。

呼吸法をしっかりと行うためには、周囲の環境や気持ちも大切です。

慣れるまでは、静かで心が落ち着く場所で行いましょう。

また、呼吸を吸い込むときには、明るいエネルギーを取り込むようなイメージで、呼吸を吐き出すときには、体の中の悪い気や毒素をすべて吐き出すようにしましょう。

はじめのうちは、吐く息のほうに重点を置いて行うと、しっかりと深い呼吸が出来ます。
普段何気なく行っている呼吸に意識を向けることで、自分自身と向き合うことが出来ます。
体調の変化にもいち早く気づくことが出来るようになりますよ。