Lesson2-2 身体を作る5元素とバランス

森羅万象を構成する5元素

足元からしっかりと私たちを支えてくれる地面。そんな地面のようにどっしりと常に揺るがず、私たちの基盤として支えてくれるエネルギーを「地」のエネルギーと呼びます。

前セクションでも述べましたが、私たちの身体において、地のエネルギーは骨や筋肉をコントロールしています。

思考や行動が落ち着いている人、おおらかでどっしりと構えている性格の人は、この地のエネルギーを多く持っていると考えられます。

地のエネルギーが不足すると、落ち着かなくなったり、自己中心的な行動をしてしまいます。

そんなとき、地のエネルギーを取り入れるためには、自然の中で土に触れたり、土の中で育つ根菜類を食べることが良いとされています。

地球の7割以上は水で出来ており、私たちは水なしでは生きられないほどにその恩恵を受けて暮らしています。

そんな日々に潤いを与えてくれる「水」のエネルギーは血液や唾液など体液全般をコントロールしています。

順応性があり、こだわりすぎず、柔らかい思考を持つ人は水のエネルギーを多く持っている人です。

頑固になったり、相手を信頼できなくなってしまうようなときは、水のエネルギーが不足しているときです。そんなときには、水辺に出かけてみたり、フルーツなどのみずみずしい食べ物を体内に取り込むことで、不足している水のエネルギーを回復させることが出来ます。

太陽は「火」のエネルギーそのものであるといえます。

私たちは太陽の光に照らされ、温められて、地球で暮らしています。植物は太陽の光なしでは育つことが出来ません。

火には、燃やしたり、温度を変えたり、物質の状態を変化させる力があります。

私たちの体の中で、消化や酵素・体温などは火のエネルギーが関係しています。

情熱的で野心家な人は火のエネルギーを多く持ち合わせている人でしょう。

やる気が起きなかったり、諦めがちな時には、火のエネルギーが不足しているときです。そんな時には、日光浴をしたり、暖かい場所へ旅行に出かけたり、スープなどの温かい食べ物・飲み物を取り入れることで、火のエネルギーを取り入れることが出来ます。

どこからともなく吹く風のように物を動かすことができ、自由なエネルギー、それが「風」のエネルギーです。

体内では、肺や呼吸に影響を及ぼしているとされています。水と火のエネルギーである血液を流すのは風のエネルギーの役割なのです。

興味の方向が様々で、発想力豊かな人は風のエネルギーに富んでいます。

落ち込みがちの気分であったり、一つの思考に固執してしまうようなときは、風のエネルギーが不足しています。そんな時には、風を感じながら外出してみたり、乾燥した食物や葉物の野菜を取ることで風のエネルギー補給が出来ます。

空のエネルギーは、これまで述べた4つのエネルギーとは少し考え方が違います。

空には「空っぽ」という意味と「空間」という意味が存在します。
空間は何かが生まれる可能性をもっているので、空っぽとは意味がほとんど逆になってしまいます。
空を理解するためには、この全く違った2つの意味が重要です。

空っぽのように見えるボトルでも、中には空気やエネルギーが閉じ込められている。
空っぽなものには、これから工夫次第で様々なものが生まれます。

空のエネルギーを持った人は、心にゆとりがあるとされています。
この「ゆとり」こそが「空」を分かりやすく表現しているのかもしれません。

見方によって概念が異なるもの、それが空のエネルギーなのです。

バランスの概念

これらの5元素は常に相互作用し、割合を変えて存在しています。

このような考え方はパンチャマハブータと呼ばれています。

体内におけるこれら5元素のバランスによって、私たちの性質を分類することが出来ます。
それが、「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」です。

この3つの分類は「ドーシャ」と呼ばれ、自分自身の性質を知ることで、体の不調などをコントロールすることが可能です。

3つのドーシャがバランスよく働いていれば、代謝や体内の循環がうまくいき、健康に過ごすことが出来ます。反対に、ドーシャのバランスが崩れると、心身に何らかの不調が生じてくるのです。

次のセクションでは、この3つの分類・自分自身の体質についてさらに詳しく学びましょう。